○「地域健康看護学教育研究分野」のページ

【分野（領域）紹介】

地域健康看護学分野の目標は、地域の人々が生活する場、家庭?学習?労働?包括的地域環境など、それぞれの環境で目指すものをふまえ、人々の健康を守りながら、豊かにその人らしく暮らしていけるよう支援することです。本分野の対象は地域に暮らす住民全体であり、生まれたばかりの新生児から命の最期の瞬間までを含んでいます。様々な生活の場では、健康に関心のある人もいれば、健康には全く関心のない人もいますが、それでも、そのような価値観の違いを超え、対象とともに健康課題を明らかにし、対象の自律を尊重しながら支援します。本分野が支えているのは、人々が生き生きと生活していく自然の姿であると考えています。変化する社会に合わせ、人々が生き生き生活するための支援は、どうあるべきなのか、対象者や対象集団と一緒に考えます。

また、本分野は地域の看護実践活動の質の向上のために、積極的に看護職者への継続教育や研究支援を行うなど、様々な地域貢献活動にも取り組んでいます。

【研究紹介】
本分野では、公衆衛生看護および地域?在宅看護の専門性に焦点をあてた研究に取り組んでいます。具体的には、地域に生活する母子や高齢者、疾病をもつ療養者、障がい者等のあらゆる発達段階や健康課題をもつ人々を対象とした支援方法を追究し、人々が健康的にその人らしく暮らせるための看護の開発を目指しています。
学部の卒業研究では、地域住民や実習施設等の協力を得て実施しています。最近の学生のテーマでは、生活習慣病の保健指導や高齢者の転倒予防、ロコモティブシンドロームの改善、障がい児の発達支援、育児不安を持つ母子への支援、精神障害者への社会復帰、難病療養者支援などです。
大学院では、保健師や訪問看護師の実践経験をもつ学生に対して、修士論文?博士論文の指導を実施しています。博士論文テーマは、「特定保健指導該当者を対象とした未利用の動機測定尺度の開発」、「病院の勤務経験を有する新人訪問看護師の職業的アイデンティティのゆらぎ自己評価尺度の開発」、「市町村福祉部門に配属経験のある保健師を対象とした職業的アイデンティティの発達促進に向けたジレンマの経験を振り返る研修プログラムの開発」、「在宅人工呼吸療法中の難病療養者の安全管理における保健所保健師の活動自己評価尺度の開発」などです。